歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
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シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/25
最終更新日:2011/03/25 12:27

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」 第2章 東方精神の章(仏・密・禅)
○法相宗


 ヨーガの歴史は、紀元前2千年
以前のインダス文明。モヘンジョ・
ダロやハラッパ遺跡の発掘品に、
ヨーガをしていると推定される
行者の像がある事から、始まりは
それ以前という事になる。

 ヨーガ根本聖典(ヨーガチューダ
マニ・ウパニシャド)の成立は
5世紀頃で、その冒頭に「ヨーガ
とは心の働きを滅する事である」
と明記されている。

「そのときには、見る者(真我)は
自己本来の状態に安住する。心が
無想の段階にあるときは、真我、
すなわち絶対知の能力は、自己
本来の能力に安住する」と続く。

 初心者が瞑想を始めると、目を
閉じてもさまざまな想念が明滅出没
する。これが思考と感情が混在した
「心」である。しかしこの心を離れ
た所から観察している意識がある事
にも気づく。この意識が思考や感情
に染まっていない「純粋な意識」
であり、上記されている「絶対知」
である。そして、この意識によって
心(思考・感情)を観照している状態
を「覚醒」と呼んでいる。

 醒めた意識で「心」をただ観て
いると、それはやがて流れ去る雲の
ように湧いては去り、消滅する。
心の去った青空が無心の虚空で
ある。だがこの虚空は、カラッポ
というのではない。ここから全て
が生まれる、光り輝くもので充満
(プレロマ)した空である。

 呼吸は「自分(エゴ)」が行って
いるのではなく、全体によって行わ
れる「行為」である。。そして呼吸
に続く渇き・飢え・セックスなどの
肉体活動も、精神活動・美的活動も
行為であると。つまり、真の「私」
とは、行為者ではなく、それを
観照する「意識」なのだと。
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