歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/25
最終更新日:2011/03/25 12:27

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」 第2章 東方精神の章(仏・密・禅)
○ゴータマ・シッダールタ<4>


 出家から6年が過ぎた。
沙門ゴータマの摂食による
苦行は、壮絶を極めつつあった。
森の草や樹の根を食べ、1日
生米1粒、胡麻1粒といった、
極限の苦行を続けていた。
眼孔と腹部はげっそりと落ち
窪み、肋骨と血管が浮き出た
胸にうっすらと皮膚が貼り
ついていた。文字通り骨と
皮だけの体からは、死臭が
漂っていた。

 ヨーガにおいて、急激な
仮死状態をつくり出す技術を
ポアという。それにより肉体
の死の直後に起こる、音と光
の体験を疑似体験するのである。
そこは肉体が有る感覚と肉体
が無い霊魂との中有的領域で
あり、時間と空間が無い
無意識の夢にも似ている。
その霊魂に肉体は無いが、
肉体として生きていたあらゆる
経験や思考、感覚、印象などが
潜在的な種として蓄積されて
いる。その我という意識の
中核をバラモンではアートマン
と呼んでいる。魂と理解して
いい。

 奇しくも沙門ゴータマも
また、仮死の霊体となって
生と死の境界を彷徨っていた。
ブッダは肉体を持った人間の
心身を、ルーパ(色=肉体と
しての存在)、ヴェーダナー
(受=感覚器官からの知覚)、
サンニャー(想=感覚の認識)、
サンカーラ(行=意識の働き)、
ヴィンニャーナ(識=潜在的
意識の働き)という5つの蘊
(あつ)まり=五蘊(ごうん)と
表現した。
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