歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
第1章 海と潮流の章(星と海はロマンと伝説の宝庫)
○海
今から3万2千年前の、南フラ
ンス・オーリニャック文化。洞窟
に船の絵が数多く描かれていると
いう。人間は水に浮かぶ木を見て、
川や湖を渡る道具として船を発想
したのだろうが、海へ漕ぎ出した
のはいつ頃からなのだろうか。
BC5000年頃メソポタミア
南部に定住したシュメール人は、
葦船を巧みに操り、インドと交易
を行う海洋民族だった。エジプト
と交易をした木材構造船は、主帆
1本、三角帆1本のチーク材・約
30トンの船だった。
インドネシア人も外洋航海に熟達
していた。アウトリガーという浮材
を本体の両舷に装備した帆船で、
南太平洋の島々を往来し、インド洋
を渡ってアフリカ東海岸やマダガスカル
に到達した。マダガスカル原住民は、
インドネシア系の人々である。
BC2000~1628年に栄えた
クレタ文明も、地中海世界の海洋王国
だった。文明はBC1628年の
サントリーニ島火山の噴火による
大地震と大津波で滅んだが、航海術
はカナン(パレスチナ)のフェニキア人
に受け継がれた。
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