歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
第1章 海と潮流の章(星と海はロマンと伝説の宝庫)
○冥王星
「♪いいえ私はさそり座の女♪」と、
美川憲一が妖艶に歌う。「♪さそりの
毒は後で効くのよ♪」と、さそり座の
女は何やら恐ろしそうである。西洋
占星術で言うさそり座は、10月24日~
11月22日生まれの人々で、黄道
12宮の中の8番目。フランス革命で
断頭台の露と消えたマリー・アントワ
ネット、モナコ王妃のグレース・ケリー、
画家のマリー・ローランサンや女優の
ビビアン・リー、キャサリン・ヘップ
バーン、松井須磨子、大原麗子や由美
かおるなどがさそり座の女の代表で
ある。なるほど「深くて濃い」かも
しれない。
さそり座の守護星は冥王星。1979~
1999年までは海王星の内側を回って
いたが、基本的には太陽系最遠の惑星と
して、59億km彼方の軌道を
約247年かけて公転している。
この惑星の動きを占星術で用いる
ホロスコープに置き換えると、冥王星
は250年ごとにホームグラウンドで
あるさそり座に帰ってくる事になる。
今回は20世紀末の1984年に入座し、
21世紀初頭まで同座する。占星術では
250年に1度の大改革の象意とされて
いる。確かに時代は激変している。しかし
何がどう変化し、どこへ向かおうとして
いるのかという疑問はある。冥王星から
のメッセージを読み解いてみるとしよう
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