歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/25
最終更新日:2011/03/25 12:27

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」 第2章 東方精神の章(仏・密・禅)
さて、瞋(しん)心に続くのは
「貪(とん)心」である。これに
因果の法則を知らない「痴心」
を加えて、地獄の心理3点
セット「三毒」と称する。
自分を自分であると意識する
「自我意識」と共に「瞋(しん)
心」があり、宇宙との分離感
ゆえに「貪心」がある。

・貪(とん)心/むさぼりの心。
 なにがなんでも、いくらでも
 欲しくなり、これで満足する
 事ができなくなる。ひとたび
 貪心が生じると、執着の念が
 心を離れず、行動がすべて
 公正さを欠き、自己中心的と
 なる。

 六道輪廻の世界で言えば
「餓鬼」に相当する。欲しい物
が与えらないのではなく、与え
られても与えられても、さらに
いいもの、さらにすぐれたもの
を求め続け、与えられない欲求
不満に陥る心理状態。

 欲求不満は「攻撃行動」を
呼び覚ます。自らの攻撃が、
他者の攻撃を招き寄せるのだ。
デパートで「買って買って!!」
と泣き喚く子供の傍らには、
同じ欲求不満を抱える母親。
母親は感情にまかせて子供に
「あたる」

 エスカレートすると折檻死
に至る事もある。餓鬼界の深層
には、内面の空虚を外側の「物」
 で埋めようとするが失望する、
というジレンマがある。むろん
内面の空虚を埋める為には、
宇宙との一体感を「体感」する
必要がある。宇宙の無尽蔵な
豊かさを体感すると、物に固執
 するのが馬鹿馬鹿しくなる
・・・という仕掛けになって
いるのだが・・・
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