歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/25
最終更新日:2011/03/25 12:27

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」 第2章 東方精神の章(仏・密・禅)
 近江国堅田のか華臾宗曇(かそう
しゅうどん)が次の師となる。一休と
いう道号も、この師より授かった。
煩悩の山と悟りの山の谷あいで、
ごろり寝転びひとやすみ、なのだ
そうだ。一休が禅僧として大悟する
のは、27歳のある朝、カラスの
鳴き声を聞いた一瞬だったという。
この禅僧の悟りほど、はた目から
見て不可思議な現象もないだろう。
それがいつ、どこで、いかなる
状態で起こるのか、本人すら
わからない。棒で叩かれた
一瞬だったり、尻を蹴飛ばされ
た時だったりするから始末に悪い。

 一休は大悟の境地を、東西南北を
織り込んで、「極楽は西にもあれど
東にも  来た道探せば ・皆んな 
身にある」と、粋に詠っている。

あるいは「あら楽し 虚空をおのが
すみかとし しゅみ須弥を枕に 
ひとり寝の春」と、ちょっとのどかに
自由の境涯を詠っている。

 一休の晩年、幕府は山名・細川
2大勢力に分裂し、応仁の乱が勃発。
10年に及ぶ戦乱で、京の町は荒廃
した。一休は1481(文明13)年、
山城国薪村の酬恩寺で病に倒れ、
88歳の天寿を全うした。

「生まれ来てその前生を知らざ
 れば、死にゆく先もまた知らぬ
 なり」

と、風狂禅に生きた男の、カラリと
した去り際だった。
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