今昔玉手箱2/聖書文明編
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/24
最終更新日:2011/03/24 13:09

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今昔玉手箱2/聖書文明編 第1章 オリエントの章(旧約聖書の世界)
 パンドラの箱の底には、黄金
の羽虫「希望」が残る。普通
は希望というと美しい言葉だが、
古代ギリシャ人にとって希望
とは、まやかしの誘惑であり、
苦しむ人間にとりついて悪事
をそそのかす魔女だった。

 さて、再びプロメテウスだが、
やがてゼウスの怒りも少しは
おさまり、タルタロスの暗黒
からコーカサス山に戻される。
ここで、ギリシャ神話中最大
の英雄・ヘラクレスが登場する。
彼は死後「神」になった「人間」
だった。ヘラクレスはプロメ
テウスの肝臓を食らう大鷲を
射落とし、鎖を切って
プロメテウスを解放する。解放
されたプロメテウスは、今も
天界から人間たちの文明を
見守りつづけている。

 プロメテウスが蒔いた文明の
種は、複雑にボトムアップしな
がら成長し続けている。車輪と
馬車はガソリン車となって世界中
に溢れている。プロメテウスは、
「ル・マン24時間耐久レース」
を観戦しながら、来るべき文明
のあり方について考えている。

「ル・マンに使用されるガソリン
エンジンは、馬力アップと燃費の
向上という、矛盾する要求を同時
に解決しなければならない。自然
環境の保護と開発の問題も同じ事
だ。生命原理と意識の向上もしかり
だ。生命を維持するためには、エゴ
イスティックな構造にしなければ
ならない。欲望や好奇心が、発展・
成長の原動力になる。だが欲望も
偏って執着すると、生命を破壊する
方向に作用してしまう。ゼウスの
指摘どおり、人間は神の火から
「恐怖」を原料として、「原水爆」
という巨大な爆発物をつくりだして
しまった。

 恐怖から生まれたものは、より
いっそうの恐怖へと成長してゆか
ざるをえない。困ったものだ・・・」

 プロメテウスは、あらゆるメディア
に働きかけて、「情報」を連日送り
続けた。人間という生命の神秘。自然
と共存している人間社会。自然環境の
危機的状況。地球生命と人間生命は
「エコシステム」という一体化の中
に存在し、分離した状態では生きて
ゆけない事。
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