今昔玉手箱2/聖書文明編
第1章 オリエントの章(旧約聖書の世界)
○人間誕生
「人間だけはどうしても私の
進化論では説明出来ない」と、
チャールズ・ダーウィン(1809~
1882)は嘆いた。確かに人間
も進化論も、何かおかしい。
そもそも猿とは5500万年前
に、地ネズミが木に登って手を
発達させたのが始まりだという。
中国湖南省からは、5500万年
前の霊長類化石骨が、ミャンマー
中西部からは4000万年前の
真猿類の頭部が発見されている。
キツネザルやメガネザルなどの
原猿類、真猿類はこの頃から
生息していたとみてよい。
チンパンジーやゴリラ、オラ
ウータン、ニホンザル、クモザル
などの類人猿は、3400万年前
に登場したものと思われる。
しかしそれ以来、これといった
進化はしていないように見える。
アフリカでチンパンジーと猿人
が分かれたとされるのが、DNA
分析でおよそ700万年前の事。
以来人間は、数回にわたる大突然
変異を行い、現在の文明生活を
営んでいる。種における変化には、
何千万年から1億年かかるはず
なのにである。カブトガニやクラゲ
は、2億年前の古生代から変わらぬ
姿で今日まで生き延びている。
人間の進化は異常に早いのである。
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