今昔玉手箱2/聖書文明編
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/24
最終更新日:2011/03/24 13:09

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今昔玉手箱2/聖書文明編 第2章 ダークマインドの章(人の心は複雑怪奇)
 この時サイパン島では、約4千人
の日本人非戦闘員が、島の北端に
追いつめられた。「生きて虜囚の
辱を受けず」の精神は、日本人
女性の脳内にも深く刷り込まれて
いた。野戦病院では、看護婦が
患者に青酸カリを与え、全員服毒
自殺。マッピ岬の断崖から、多く
の者が身を投げた。車座になって
手榴弾で爆死するグループ。わが
子を殺して後を追う母親など、
凄惨な現場となった。

 この悲劇は硫黄島、沖縄へと
続く。何も女性や子供までが
自決しなくてもと思うのは、
戦陣訓を刷り込まれていない
戦後教育を受けた者の感覚なの
だろう。作家・司馬遼太郎は、
講演で次のように延べている。

「私は兵隊に行くときにショック
を受けました。まず何のために
死ぬのかと思ったら、腹が立ち
ました。いくら考えても、自分
がいま急に引きずり出され、
死ぬことがよくわからなかった。
自分は死にたくないのです。
国家とは何だろうと思いました。
死ねという国家は、国家である
はずがない」

 今ならばひどくあたり前の
言葉として受け止められるが、
戦時下の日本で「死にたくない」
などと言おうものならば、非国民・
国賊と罵られ、卑怯者と蔑まれて
いた事だろう。正気と狂気の
境界線は、かなり難しい。
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