- Garden -
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/22
最終更新日:2011/03/27 02:33

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- Garden - 第2章 第二章  ‐ 園 ‐
「姫の世界は大変ですか」

彼女なら「全く」と笑い飛ばしてしまうような気もしたが、昔から強い女ほど脆いのだと教えられてきたために、彼女にも脆い部分はきっとあるだろうと思い尋ねていた。
藤の君は手に持った書をまた積まれた本の上に置き、うっすらと口元を緩めた。

「えぇ、とても」

震えるような小さな声だった。
触れる度惹かれていくこの感情が苦しかった。
折れそうで折れない華の、雨風に弱弱しく揺れる姿は思わず部屋の内へ入れてやりたくなるほど愛おしい。

「何が答え、と定まりがないのです。色となられる皇子様のお声がかかる、それ以外は誤りで負けという世界です」

それは例えどれほど多くのことをこなしても、人より抜きんでて優れていても、色に選ばれなければ意味などないということだ。
「貴女はそんな世界で、勝ち抜いているではありませんか」
どれほど強く風が吹こうと折れることなく、ただそこに強く根を張る花のように。
四宮の姫となるだけでも困難なことなのに、彼女はその若さで手に入れている。
ふわりと吹く風に、彼女の羽織る桃色の薄い羽衣が揺れた。

「誰かに勝るつもりで、強くなったのではありません」

儚げな瞳にまた、私は時を奪われる。

「己に負けぬために強くなったのです」
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