- Garden -
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/22
最終更新日:2011/03/27 02:33

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- Garden - 第1章 第一章  ‐ 風 ‐
「やめてくださいっ!!」

いくつもの蔵が建ち並ぶ方向から高い女の声がした。
笠冴と柊が私とその方向を交互に見やって、どうしますと指示を仰いだ。
私は声を出すより先に足をその方向へ走らせ、2人は遅れることなくぴたりと私の後についてきた。
「宮だのなんだの。所詮下女と同じだろうが」
息のあれた男の声がして、それに笑う別の男の存在も確認できた。
長い蔵を2つほど曲がると、その声は明瞭になった。
「違います・・・っ、やめ」
ようやく音源へたどり着いたと思った瞬間、私の前に出た柊の向こうに、浅葱色の衣を纏う女が揺れた。
背丈はそれほど高くはなく細身であるのに、その存在感は私だけでなく笠冴や柊をも圧倒した。
横顔が凛としていて、目を引き付ける美しい顔立ちに、立ち姿はまるで優雅な白鳥といったところだろうか。
いや、喩えられないほど美しい女がそこにいたのだ。


「何を騒いでいるのです」


息をすることも忘れるほど、美しく澄んだ声に2人の男と悲鳴をあげていた女が動くのをやめる。
私は自分の息が震えているのが分かった。柊がそっと1歩下がり私の隣に並ぶとその光景がはっきりと目に映った。
2人の男が淡い黄色の衣の女の腕をつかんでいた。
「ふ・・、藤の方様!」
捕らわれた女が涙をためて、助けに入ったその方の名を呼んだ。
あぁ、彼女が。
私は藤の方様と呼ばれた彼女をもう一度しっかりと見つめて確信した。
あの四宮から選ばれた『舞わぬ姫』、藤の宮。
18という若さで姫宮最有力候補と言われている、あの藤の方様。
彼女こそまさにその噂に適する女性だった。

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