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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/22
最終更新日:2011/03/27 02:33

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- Garden - 第3章 第三章  ‐ 開 ‐
“姫の世界は大変ですか”
その問いをしたのが柔らかく物静かな雅様だったからか。
思わず弱音めいたことを言ってしまった。

「時津(トキツ)」
「はい」
名を呼ぶと時津はいつも通り気持ちのいい返事をした。
若く凛々しい彼が姫守(ヒメモリ)として私のところへきて半年がたつ。
「私は弱く見えますか」
今日は初めての選定会が正午より執り行われることになっており、他家の姫も朝から忙しく準備をなさっているようだった。
「藤の宮様が弱く、ですか」
「えぇ」
「いえ。他の姫様方よりずっとお強く思われます」
時津は嘘をつかない男だった。
では彼が、雅様が他の姫のことをよくお知りでないから、私を弱いと思われたのだろうか。
口では強いと申しておられたが、あの眼は弱いものを守ろうとする目だった。
たった2度顔を合わせたことがあるだけだったのに、私はその眼に思わず心のうちを零してしまった。
「それより使いがまた別の衣を持ってくるようですが」
今日は選定会だからと朝からたくさんの衣合わせをさせられていた。
小夜(サヨ)や椎華(シイカ)が運んでくる衣はどれも美しく、何より私が好きそうなものばかりだった。
「皆私のために夜通し衣を選んでくれるのだから、試さぬわけにはいきませんね」
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