歴史エッセイ集「今昔玉手箱」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/11
最終更新日:2011/03/11 11:01

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱」 第4章 黒の章(悲惨な戦争と希望の光)
 アッツ島の東方、キスカ島5200名
の将兵にも同様の危機が迫った。米軍は
レーダーで日本艦隊を監視し、90隻
近い艦船で海上を封鎖。アムトチカ島に
航空基地を建設し、空からの哨戒も行い
ながら、キスカ島上陸に備えていた。

 これに対し日本軍大本営軍令部は、
キスカ島守備隊の救出は困難であると
して、玉砕を提案した。見殺しにせよと
いうのである。海軍北方軍第五艦隊を
指揮する河瀬四郎中将が「一兵たり
とも無駄死にさせてはならぬ」と、
軍令部長に食い下がった。そしてついに、
救出作戦の許可を得た。

 とは言え、10数隻の艦隊を率いて
警戒厳重な敵陣に乗り込み、5200名
もの人間を救出しようというのだから、
成功率は極めて低い。救援軍全滅の確率
のほうが高いと予想された。河瀬中将は
この作戦指揮の為に、海軍兵学校で同期
の木村昌福少将を、南方ラバウルから
千島の第一水雷戦隊(一水戦)司令長官
として呼び寄せた。「ヒゲのショーフク」
とあだ名されたこの人物こそ、主役・
三船敏郎の役どころである。

 北緯55度。キスカ島は年中雪と氷に
閉ざされた、長さ40km幅10km
の島である。夏でも氷点下の事があり、
濃い海霧に覆われる事が多い。

「日本古来の霧隠れの忍術でゆく。」

木村少将は今回の「ケ号作戦」の命運
を、濃い海霧に託した。

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