歴史エッセイ集「今昔玉手箱」
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シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/11
最終更新日:2011/03/11 11:01

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱」 第1章 江戸東京玉手箱(世界の大都市お江戸裏事情)
だが藤原秀郷流で伊達家累代の
家人の家に生まれた者としては、
将門塚が徳川幕府大老・酒井
雅楽頭(うたのかみ)上屋敷の中庭
にあったという事に重点を置き
たい。ここが伊達家宿老・原田
甲斐が、伊達家一門の伊達安芸
を刺殺したとされる、伊達騒動
の事件現場だからである。

 伊達騒動は難しい。山本周五郎
の名著「樅の木は残った」ほどの
詳細なディテールで語らないと、
事の本質が理解されにくい話
なのだ。まず大前提として徳川
幕府は伊達家のような有力外様
大名をなんとかして取り潰そうと、
虎視眈々と機会を窺っている。

 酒井雅楽頭は取り潰しの第1
段階として、伊達家一門の伊達
兵部に30万石を与え、62万石
の伊達家を分割してしまおうと
図る。この動きを察知した原田
甲斐は、大老・酒井の意図を読み、
兵部を斬っても事は収まらないと
読み、兵部の懐に入り、信任され、
酒井と兵部の間に交わされた
密約書を手に入れ、伊達家を支援
する老中・久世大和守に托すの
である。

 さらにこの時期に一門の涌谷伊達
と登米伊達の間に領地争いが持ち
上がる。藩内の騒動は大老に、
お家取り潰しに絶好の口実を
与える事になる。その審問が大老・
老中・大目付列席の中、酒井邸
で行われたのだ。原田甲斐は控え
の間で、争いの当事者・伊達安芸
を斬殺。伊達家家老・柴田外記と
蜂谷六郎左衛門が原田と斬り
結んでいる所に酒井家家臣が駆け
つけ、伊達家の3人を斬った。
原田甲斐は即死。柴田も当日、
蜂谷は翌日息を引きとった。
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