歴史エッセイ集「今昔玉手箱」
歴史エッセイ集「今昔玉手箱」
アフィリエイトOK
発行者:オフィス亀松亭
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/11
最終更新日:2011/03/11 11:01

オーナーサイトへ
アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
歴史エッセイ集「今昔玉手箱」 第2章 幻の章(おとぎ話や妖怪の事など)
 鳥羽天皇は38歳で法皇となり、
院政を行なっていたが、玉藻前との
房事過多によって衰弱していった。
時の陰陽師・安倍やすちか泰親に
正体を見破られた妖狐は、九尾の狐
の姿に戻り、北天の空へ飛び去って
いった。
 妖狐は下野国(栃木県)那須郡の
那須野ヶ原に在って、旅人を襲って
食い殺していた。那須の領主・那須
八郎宗重は、安倍泰親より加茂大明神
の神鏡を借り受け、妖狐の霊力を
封じたのだが、数十年を経て再び暴れ
出した。

 今度の大巻狩には、安房国(千葉県)
の三浦介義純や、上総介(かずさのすけ)
広常の軍勢も加わった。妖狐は彼ら
源氏の荒武者によって射止められ、
ついに巨石に変じたのだという。
「殺生石(せっしょうせき)は温泉(いでゆ)
の出づる山陰にあり。石の毒気いまだ
ほろびず、蜂・蝶のたぐひ、真砂
(まさご)の色の見えぬほど重なり死す」
と、松尾芭蕉は「おくのほそ道」の中
で、那須湯本にある、妖狐・玉藻前が
巨石に変じた「殺生石」を見物した時
の様子を記している。

 石の周囲からは、亜硫酸ガス・硫黄・
硫化水素などの火山性有毒ガスが
噴出し、虫の死骸が重なっていた。
謡曲「殺生石」や歌舞伎などで、
玉藻前は当時から有名な妖女だった。
実際に虫の死骸を見た芭蕉は、「妖女
の毒気の恐ろしさよ」と、身震いした
のだろう。
 ちなみに殺生石の妖狐は、その後
会津・示現寺(じげんじ/福島県耶麻郡
熱塩加納村)の玄翁(げんのう)和尚に
よって成仏したとされるが、そこは
したたかな妖狐の事。ひょっとしたら
今頃、南米あたりに渡って、またぞろ
悪さを働いているのかもしれない。
43
最初 前へ 40414243444546 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ