歴史エッセイ集「今昔玉手箱」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/11
最終更新日:2011/03/11 11:01

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱」 第2章 幻の章(おとぎ話や妖怪の事など)
○桃太郎 


 桃の節句。何とも柔和で、
ほのかに甘やかで艶っぽい
言葉の響きである。それと
言うのも、桃の果実の白く
なだらかな曲線や、女性の
柔肌のような感触からの
連想なのだろう。

 桃の原産地は、中国の
黄河上流高原地帯だと言わ
れている。伝説によると、
遠い西方・崑崙山(こんろん
さん)のふもとに、西王母が
支配する「西華(せいか)」
というげっせん月仙娘娘
(げっせんにゃんにゃん)の
国があり、3000年に
一度実を結ぶ仙果「蟠桃
(ばんとう)」を食べ、仙女
の霊力を保っていたのだと
言う。

 中国神仙思想において、
桃は邪悪なものを祓う力が
ある「霊果」として尊ばれ
てきた。この思想は日本
にも伝承され、聖徳太子の
頃の飛鳥宮には、桃の木が
多数植えられていた。

 また古事記には、イザナギ
のミコトが冥界に下り、妻・
イザナギを連れ戻す際、冥界
の鬼たちに追いかけられ、
桃の実を投げつけて追い
払ったというエピソードも
ある。

「桃から生まれた桃太郎・・
武蔵の守、その方が犯した
所業、天子とともに許し
がたし。桃太郎、天に代わ
って鬼退治いたす。ひとーつ、
人の世の生き血をすすり、
ふたーつ、不埒な悪行三昧。
みーつ、醜い浮世の鬼を、
退治てくれよう桃太郎」

と、桃から生まれた桃太郎侍
は、鬼退治が大好きなわけで
ある。
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