歴史エッセイ集「今昔玉手箱」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/11
最終更新日:2011/03/11 11:01

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱」 第2章 幻の章(おとぎ話や妖怪の事など)
 呪詛と言えば、現代でも
行なわれている丑の刻参りが
ある。真夜中に誰にも見ら
れず神社へ行き、わら人形
なり写真なりに釘を打ち
つける呪いである。能の作品
に、作者未詳ながら「鉄輪
(かなわ)」という謡曲がある。
夫が他の女に心を移し、
嫉妬に狂った妻は貴船神社
(京都市左京区)へ丑の刻参り
を続ける。妻の願いとは、
生きながら鬼となり、嫉
(ねた)しと思う女を取り
殺したいと、すさまじい。

 男は嫉妬の対象が、浮気
した女その人に向けられるが、
女の呪いは男と関係した女に
向けられる場合が多い。鉄輪
の女も願いが叶い、鬼となって
闇をさ迷う事になる。救いは
ない。

 能の世界では、「鬼」を
得意芸とする。人間の業の
深さ、孤独の深さを見つめ、
嫉妬の情念・復讐への執心
などが描かれている。鬼の
語源は「隠(おん)」だと
いわれる。隠れた存在・
埋もれたものを意味する。
人の心の隠れた部分、すな
わち無意識の闇から鬼は
生まれる。

 人は誰もが、心の奥底に
鬼を棲まわせている。鬼に
なる以前の姿は、総じて
純真であり一途だ。愛の
深さが鬼を呼び覚ます皮肉。
それゆえ鬼は、どこか物
悲しい。私のように「まあ
適当でいいか」などという
態度は、鬼向きではない
だろう。

 中国では「卓越した陽の
存在」が神であり、陰の
存在が鬼と呼ばれた。神と
鬼という、陰陽混在した
存在が「人」であるらしい。

「鬼はそと・・・?」
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