歴史エッセイ集「今昔玉手箱」
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シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/11
最終更新日:2011/03/11 11:01

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱」 第1章 江戸東京玉手箱(世界の大都市お江戸裏事情)
 ヤマトタケルは、大和朝廷が
全国統一を推し進めてゆく中で
語られるヒーローである。彼の
東国遠征の過程で、群馬県の
草津温泉、福島県の飯坂温泉、
長野県の別所温泉が発見された
事になっている。

 またヤマトタケルが日高見国
を平定した際、数百人の捕虜が
大和国に連行されたという。
伊勢神宮の奴隷として奉納した
のだが、反抗的で暴れてばかり。
仕方なく三輪山のふもとに
移したが、神木を切り倒して
支配に抵抗。結局畿内から追い
出され、播磨(兵庫県)、讃岐
(香川県)、伊予(愛媛県)、安芸
(広島県)阿波(徳島県)の瀬戸内
五カ国に移されたという。

 この「まつろわぬ(服従しない)
者」たちこそ、後に弘法大師・
空海を出す、讃岐佐伯氏の祖
だと言う。東北人にとっては、
微妙にプライドをくすぐられる
話である。

 空海は真言呪によって雨を
降らせ、泉を涌かせた人物だけに、
各地に「大師の湯」と称する温泉
が数多くある。中でも群馬県の
法師温泉、福島県の熱塩温泉、
長野県の海ノ口温泉は空海発見
が始まりとされている。

 空海が生きた平安時代という
のは、貴族の温泉旅行が活発に
なった時代でもある。有馬温泉
や城之崎温泉に2~3ヶ月逗留し、
まったりと湯浴みしては酒を飲み、
歌を詠んだのである。新猿楽集と
いう往来物(諸国案内書)には、
名所や土産物などの観光案内が
書かれてあった。

 風呂や温泉は、貴族が独占
していたわけではない。庶民も
十分に楽しんでいた。「男も女も
老いたるも若きも、大勢がうち
とけて酒を飲み踊り歌いて・・」
とは、出雲国風土記の玉造温泉の
情景である。むろん混浴だった。

 平城京や平安京には、寺社の
施浴風呂、貴族や武家のふるまい
風呂という「もらい湯」があった
ほか、民営の湯屋もかなり古く
からあった。日本人は遥か昔から
、男女貴賎を問わず風呂や温泉に
浸かり、「いやあ、極楽極楽」
という言葉を発し続けている
民族なのである。
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