歴史エッセイ集「今昔玉手箱」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/11
最終更新日:2011/03/11 11:01

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱」 第1章 江戸東京玉手箱(世界の大都市お江戸裏事情)
○黄金餅


 私は火葬場で人が焼かれる
煙突の黒煙を見ながら幼稚園
に通っていた。近道は墓地
だった。近い親戚には、
ブラックジョークの小説を
生業にしている人物がいる。
姉はレオノール・フィニの
画集を私に見せて「ほれほれ、
生首だよ」と驚かす性格だった。
そのせいか、私の最も好きな
落語も、死体にまつわる噺で
ある。タイトルは「黄金餅
(こがねもち)」演者は5代目
古今亭志ん生をおいて他にない。

 下谷山崎町というから、今
の東上野4丁目の貧乏長屋に、
ケチの西念という坊さんが住ん
でいた。ある日西念は、風邪
で寝込む。が、薬を買うのも
もったいないというケチぶり。
 隣に住む金山寺味噌売りの
金兵衛が西念を見舞い、彼の
頼みを聞き入れて、あんころ餅
を買ってくる。西念は一人で
食いたいと、金兵衛を追い返す。
金兵衛が自分の部屋から西念
の様子を伺っていると、彼は
床下から金を溜め込んだ壷を
取り出し、餅の中に二分金や
一分金を詰め込んで丸呑み
しているではないか・・・
やがて西念は、ウーッと唸って
急死してしまう。

 金兵衛は焼き場に死体を
持って行って、その金を取り
出そうと決意する。長屋の
連中に召集をかけ、菜漬けの
樽を棺おけにして、麻布絶江
釜無村の木蓮寺まで、貧乏
弔いの道中となる。
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