老人ホームの人妻看護師
老人ホームの人妻看護師
成人向
発行者:つかさ
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/03/21
最終更新日:2012/11/24 17:07

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老人ホームの人妻看護師 第14章 お願い69
「由香里さん、今までお世話になりました」
「どうしたんですか? おじいさん」

山田竜之介さん、99才、ホームで一番のご高齢です。みんながおじいさん、おじいさんと呼んでいらっしゃるので、自然と私もおじいさんと呼ぶようになりました。

「いや、そろそろ、わしも最後が近いような気がしてなー」
「何を言ってるんですか、こんな元気なのに」

実のところ、一日のほとんどを寝て過ごしておられるので元気というには語弊があるかもしれません。でも介護と言うほどの介護の必要があるわけではなく、年齢相応に体力が衰えているというだけです。食事も、トイレも一人で問題ありません。私だって、お世話をしてると言っても、昼間の空時間にお話し相手になるだけです。

「いやー、最近、だんだんとばあさんのことが思い出せなくなってきた。そう思うと、逆にばあさんに会いたくてねー。多分、向こうでばあさんがしびれをきらして待っているんじゃろう」

私が来る前は、夫婦でここに住んでらっしゃったそうです。奥さんの自慢話はおじいさんから何度も聞かされています。

「綺麗で優しい人だったんでしょ。そんな優しい人がそんな我儘なはずないじゃないですか」
「実は、由香里さんがここへ来る前にも一度こんな感じがしたことはあったんじゃ。なんとなく人生にありがとうって気持ちになるんじゃよ」
「おじいさん、ばかなこと言わないの」

それでもおじいさんは話を続けます。
「ばあさんの若い頃にそっくりな由香里さんが来てくれたおかげで少しだけ長生きさせてもろた。由香里さんと話していると、自分もあの若い頃に戻ったようなきがしてのー。でも、もう十分じゃ。ありがとう、由香里さん」

私、思わず、おじいさんの手を両手で握り締めました。

「だったら、まだまだ長生きしてもらわないと。私はどこにも行きませんから」
「いや、ありがとう。手のぬくもりも、その優しさも、ばあさんと一緒じゃ」
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