今昔医療福祉外伝
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第11章 ホスピス(下) /痛みを知る
 今、日本人の約8割は病院で死亡して
いる。しかし「家で死を迎えたい」
「病院では死にたくない」「家族に
見守られて死んでいきたい」と、誰もが
心ひそかに切望している。どんな立派な
病院・病室をつくったとしても、住み
慣れた家にはかなわない。家には何よりも
「思い出」がある。それが人情というもの
である。

 末期ケアについて、特にがんや難病の
場合、病院を切り離す事が出来ないのは
確かである。在宅が無理ならば、せめて
ホスピスをという患者と家族の声は、
日増しに高まっている。

 在宅ケアについては、いくつかの問題点
が指摘されている。まず、往診が医療制度
の中で必ずしも優遇されていない為に
起こる、経済的問題である。しかも末期
ケアの場合、特に在宅専門の看護婦や
介護の福祉スタッフが重要になるが、
現実には人材不足である。
 がんの場合には、モルヒネの問題も
ある。現在多数の医師が麻薬免許を
持っているが、管理は厳しい。都市型
病院で治療を受け、薬剤師から処方箋
を受け取って地方の自宅に帰った場合、
自宅周辺に処方箋を調合出来る薬局が
あるかどうか。非常に少ないというのが
現実である。
 
 死とは、誰にとっても避けられない
現実である。「痛み」と「死」を見つ
める事からしか、本当の意味での「生」
は成立しない。誰もが安らかな死を
願っている。

 古代ローマの哲人皇帝・マルクス・
アウレリウスは語る。

「・・だからこのほんのわずかの時間を
自然に従って歩み、安らかに旅路を
終えるがよい。あたかもよく熟れた
オリーブの実が、自分を産んだ地を誉め
たたえ、自分を実らせた樹に感謝を
ささげながら落ちてゆくように。
 (自省録・第4章48節・岩波書店) 」
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