今昔医療福祉外伝
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第11章 ホスピス(下) /痛みを知る
モルヒネ使用に対して厚生省が重い腰を
上げたのは、1995(平成7)年3月に
なってからの事だった。モルヒネ使用に
対する十分な安全性のデータが得られたと
して、使用推進へのゴーサインを出した
のである。

 がんに関わる医療現場では、がん告知や
クオリティ・オブ・ライフの問題に関して、
確実な意識改革が進行している。治療
(キュア)中心の医療から、介護(ケア)と
共存する医療へ。特に精神的なケアが
重要視されてきた。そうした現場の発想
から生まれたのが、「トータル・ペイン
(総合的な痛み)」という発想であり、
「痛み学」と名付けられた領域である。

 痛み学とは、医学・薬学・心理学・
社会学・宗教学などの、人間の肉体的・
精神的痛みに関わる専門家が集まり、
痛みをトータルにとらえようとする
研究分野である。

 患者は、目前に「死」がせまっている
事を知っている。誰でも死に対しては強い
恐怖心を持つ。患者は「眠るのが恐い
んです」と訴える。これも切実な精神的
痛みと言える。患者も家族も、愛する人
との別れが刻一刻とせまってくることを
感じる。明日かもしれない。明後日かも
しれない。先の見えない不安の中で、
死という厳粛な現実と向き合う。何も
してあげられないという無力感に襲われる
かもしれない。悲しみがじわじわと家族を
しめつける。
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