今昔医療福祉外伝
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第10章 ホスピス(上) /ホスピスの成り立ち
 日本初のホスピスは、1982(昭和
57)年11月にスタートした、静岡県
浜松市の「聖隷三方原病院・ホスピス
病棟」である。準備に5年をかけた。
開設にあたっては、傑出した社会福祉
事業家・長谷川保の存在を抜きにして
語る事は出来ない。

「わたしがあなたを愛したように、
あなたがたも互いに愛し合いなさい」
というイエス・キリストの言葉を、生涯
かけて実践した人物だった。

 長谷川は1903(明治36)年、浜松市
の商家に生まれた。県立浜松商業を卒業後、
日本力行海外学校に入学。ブラジル移住を
志しての事だった。学校では、内村鑑三の
教えを受けた。内村の著書「来世と復活」
を読んだ長谷川は、日本で生き抜く決心を
する。大不況の就職難だからという理由
だけでブラジルに行く事は、「逃避」だと
思った。イエスが十字架に架かり、死から
逃げなかったように生きようと固く誓った。
多感な20歳の青年だった。

 1926(大正15)年、聖隷
クリーニング店を開業。この時この店に、
長谷川の父親が結核の青年を連れてきた。
結核は当時、死の伝染病として恐れられ
ていた。感染者は「病原菌」扱いされ、
世間から差別されていた。長谷川は、
結核患者の為の診療所建設を決意する。
 キリスト教信者の支援を得て、世間の
迫害と戦いながら事業を続けたが、
資金的に苦しくなり、万策尽きて事業
断念を決意する。そんな時、昭和天皇
から御下賜金が出るという奇跡が
起こったのである。事業継続はもちろん
の事、なにせ「天皇陛下公認」である。
世間の見る目ががらりと変わった。
時に1939(昭和14)年。長谷川
36歳。細々の13年だった。
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