今昔医療福祉外伝
今昔医療福祉外伝
アフィリエイトOK
発行者:オフィス亀松亭
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

オーナーサイトへ
アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
今昔医療福祉外伝 第8章 幕末任侠医 高松凌雲(中) /国際赤十字誕生の事
 凌雲らがヨーロッパに滞在していた
慶応3年という年は、日本の政治の
大転換の年だった。10月に徳川慶喜
が、政権を朝廷に返上。いわゆる大政
奉還を行った。倒幕を画策している薩摩・
長州藩の動きを封じ、朝廷と幕府が一体
となって政治を行うのが狙いだった。

 だが慶喜の考えは甘かった。岩倉具視
(ともみ)らの朝廷工作により、倒幕の
密勅が薩長両藩に下っていたのである。
薩長軍は、約六千の兵を京に向けて
進軍させた。これを迎え撃つのは、
会津・彦根・津・大垣・桑名の幕府軍
約一万。慶応4年1月3日午後5時、
鳥羽伏見街道で両軍の戦闘が始まった。

 鎧兜に槍・刀・火縄銃という、
300年前の戦国時代とあまり変わらぬ
幕府軍の装備に対して、薩長連合軍は
最新式のライフル銃を雨あられと
浴びせかけた。実戦経験豊かな奇兵隊
が主力だった。だが、奇兵隊の生みの親・
高杉晋作も、薩長連合の仕掛け人・
坂本龍馬も、すでにこの世の人では
なかった。

 戦闘は翌朝まで続き、大勢は薩長軍
有利で決した。6日には総大将・徳川
慶喜が大阪城を脱出し、江戸へ引き
上げて謹慎した。朝敵になる事を恐れ
たのである。

 薩長連合軍は江戸へ向けて進軍。
3月14日には、官軍代表・西郷隆盛
と幕府全権・勝海舟の話し合いにより、
江戸城無血開城が成立。抗戦派の幕府軍
は、関東各地に散っていった。
 抗戦派鎮圧の指揮官には、長州の
村田蔵六(後の大村益次郎)が就いた。
適塾出身で、数多くの兵法書の翻訳を
手がけ、近代戦に精通した村田の才能
を見抜いたのは高杉晋作だった。情や
気合いといった精神論ではない、合理的
戦略によって、四面楚歌の長州軍を連戦
連勝に導いた男だった。5月には上野に
結集した彰義隊を、村田の「計算
どおりに」鎮圧した。
61
最初 前へ 58596061626364 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ