今昔医療福祉外伝
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第8章 幕末任侠医 高松凌雲(中) /国際赤十字誕生の事
 両軍合わせて900門の大砲が火を
吹き、騎兵がぶつかり合い、銃弾を
撃ち尽くした後は銃剣で殺し合い、
最後は石を投げ合い、殴り合い、噛み
殺すという死闘を、日暮れまで続けた。
戦闘はオーストリア軍の退却でケリが
ついたが、戦場には4万とも5万とも
言われる死傷者が、累々と横たわって
いた。銃剣で腹を刺された者は出血
するにまかせ、やがて来る死を待つ
だけだった。

 戦場の西4キロの町・カスティリ
オーネ。デュナンはどういう運命の
いたずらか、負傷兵で溢れかえる町に
いた。戦闘終了の翌日の事である。
町は血の匂いとうめき声に満ちていた。
出血で体の水分を失った者は、誰もが
等しく激しく喉の渇きを訴えた。

 デュナンは町の人々と共に、何かに
とりつかれたように彼らの介護に
あたった。三日間不眠不休で、水を与え、
体を楽にさせ、包帯を巻いた。約9千人
の負傷者に対して、医者は5人しか
いなかった。

 ジュネーブに戻ったデュナンは、この
時の体験を一冊の本にまとめ、3年後
に出版する。「ソルフェリーノの記念」
と題された本の中で、デュナンは2つ
の事柄を提案した。ひとつは、国際的
中立救護機関の設立。もうひとつは、
戦傷者救護の国際条約の制定である。
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