今昔医療福祉外伝
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第8章 幕末任侠医 高松凌雲(中) /国際赤十字誕生の事
 デュナン家の先祖には、宗教改革者
として名高いジャン・カルヴァン
(1509~64)がいる。そのせいで
デュナン家は代々、カルヴァン派の敬虔
なクリスチャンで、アンリも両親の福祉
活動の影響を強く受けて成長してゆく。

 ジュネーブの名門お坊ちゃまは、母と
共にスラム街を訪れ、家畜小屋のような
住居で生活する人々の悲惨さに強い衝撃
をうけた。この少年は、スラム街の現実
を体験した後、これを全人類の不幸に
置き換えた。学校の成績はごく普通の
少年だったが、この発想力は凡庸では
ない。あらゆる差別と偏見、病気と迷信、
貧困と人間のエゴを克服するという大命題
が、少年アンリ・デュナンの魂を熱くした。

 一応世間体もあって銀行に就職した
が、ボランティア活動の方により熱心
だった。そしてデュナンの夢は膨らむ。

「このクリスチャンの社会活動を、
世界組織に統合しよう。」

あっさりと銀行を退職すると、団体
の名を「YMCA(キリスト教青年会)」
に改め、世界大会を提案した。
各国の著名な団体に手紙を書き、
同意を求めた。思い込んだら命がけ
というような、のめりこみやすい
性格だった。
 この情熱は、2年後の1855年
5月8日、第一回YMCA世界大会の開催
という形で結実する。デュナン28歳
の誕生日の事であった。

 その同じ頃、スイスの遥か東方、
黒海沿岸のロシア領・クリミア半島
では、イギリス・フランス連合軍が
ロシアと戦火を交えていた。この
地獄の戦場の野戦病院で戦傷者の看護
にあたったのが、後に「クリミアの天使」
と呼ばれるフローレンス・ナイチンゲール
である。
 彼女は、イギリス・タイムズ紙従軍
報道記者・ウイリアム・ハワード・
ラッセルの記事によって紹介された。
戦傷者の悲惨さと、ナイチンゲール以下
37人の看護婦たちの働きは、多くの
人々の心を揺さぶった。
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