今昔医療福祉外伝
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第7章 幕末任侠医・高松凌雲(りょううん)伝(上) /緒方洪庵と適塾の事
 高杉は考え抜いた。欧米列強の
植民地政策から、いかにして日本を
守り抜くか。

━ 今の幕府ではだめだ。新国家が
必要だ。━

高杉は倒幕を決意する。この革命に
必要なエネルギーはただ一つ。「狂気」
だった。国に対して大規模な外科手術
をほどこして、積年の毒虫を残らず切り
出してしまおうというわけである。

 帰国後、高杉はアメリカ公使館襲撃
を計画。だがこれは未遂に終わる。次は
イギリス公使館焼き討ちを決行。高杉は
欧米との戦争を望んでいた。外敵を
出現させて内部を一つに統合し、幕藩
体制を超えた「強い日本」を誕生させる
為の方法論だった。

 高杉が火をつけてまわった「狂気」
の導火線は、長州藩という弾薬庫で
爆発する。下関海峡を通過する外国船
を無差別砲撃して、フランス・アメリカ・
オランダに宣戦布告したのである。
素人がヘビー級のプロボクサーに殴り
合いを仕掛けたようなものである。
むろん長州藩は、ぼろくそに殴り
返された。

 だがその結果、藩主を頂点とする
縦割り社会が、機能不全の液状化現象
を起こして崩壊した。高杉はこの時を
待っていた。士農工商の階級差別の
無い軍隊「奇兵隊」を結成。やがて
この軍隊が、倒幕軍の中枢になって
ゆくのである。

 凌雲が塾頭になろうという頃、
緒方洪庵が幕府の奥医師として江戸へ
旅立っていった。凌雲はその後を追う
ように適塾を出て、再び石川桜所の
もとで蘭医学を学ぶ一方、横浜の
ヘボン英語学校へも通って見識を
広めていった。

 1864(慶応4)年5月26日、
30歳の凌雲は一橋家軍制所付表医師
となった。つまり一橋慶喜の主治医で
ある。慶喜は、水戸藩主・徳川斉昭の
第七子で、一橋家を相続。この頃は
第14代将軍・家茂を補佐して、長州
征伐などの危機管理に神経をすり
減らしていた。
 翌年8月20日、将軍・家茂死去。
12月5日、慶喜は第15代征夷大将軍
となった。慶喜は、家康の再来と
言われるほどの人格・英知を宿していた
と言われている。
 
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