今昔医療福祉外伝
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第7章 幕末任侠医・高松凌雲(りょううん)伝(上) /緒方洪庵と適塾の事
「なんばしよっとですか。」

深夜、階段脇の畳で寝ていた男が、
便所に立った先輩塾生にわき腹を
蹴飛ばされて、思わず大声を張り
上げた。

「やかましい。いやなら寝るな。
ここでは机が枕である。」

男ははき捨てるように言うと、
ドカドカと一階に下りていった。
蹴飛ばされた男、名を高松凌雲と
言う。筑後御原郡古飯村(福岡県
小郡市古飯)の産で、この時26歳。
血の気は多い方だが、先輩塾生の
迫力に負けて呆然と見送ってしま
った。

━えらかとこに来てしもうたかも
しれん。それにしても痒かぁ。
頭が割れる程 痒かぁ・・・━

 早速蚤としらみの洗礼をうけた
凌雲は、おちおち寝てもいられ
なかった。この薄汚い塾から、
明治政府で公衆衛生等の医療制度を
整えた長与専斉が出るのだから、
世の中というのは面白い。

 蘭学の需要が急速に増大したのは、
やはり1853(嘉永6)年6月3日、
浦賀沖に来航したペリー率いるアメリカ
艦隊の衝撃波以降ということになる
だろう。
二百数十年間鎖国政策を維持していた
徳川幕府に対して、ペリーは武力で
威嚇して開国を要求。外国の武力侵略
に対抗する為に、軍備の増強を考えた。

 幕府は海岸防備の重要性から、大船
の建設を許可し、砲台を全国に築かせた。
海軍創設の必要性から、長崎に海軍
伝習所を開設。勝海舟・榎本武揚・
佐野常民・五代友厚らの人材を育成
した。鉄砲や大砲の製造知識や、
国際情勢の情報収集など、軍事部門
の充実に蘭学は欠かせないものに
なっていった。

 適塾出身者は、全国から引っ張り
だことなった。村田蔵六(大村益次郎)
は、伊予(愛媛県)宇和島藩主・伊達
宗城(むねなり)に招かれて、黒船建造
と西洋式砲台の建設を命じられた。
武田斐三郎(あやさぶろう)は、函館・
五稜郭の設計・建設を行った。
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