今昔医療福祉外伝
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第1章 エピダウロス・スピリット
 アポロニアは神殿の診察室で医師と
向き合った。医師は鉄筆片手にカルテ
を作成しながら、世間話を織り交ぜ、
アポロニアの病歴を聞き出してゆく。
普段の食事、家族関係や住居の様子
など、個人の病気の背景を探り当てる。
現代医学用語では、これを「ペイシェント・
プロファイル」と言う。患者の生活像
の事で、そうした背景の中に病気の
要因をみる診るのである。近代医学
の祖といわれるヒポクラテスは、
特にこの考え方を重視した。彼は
病変部位だけを治そうとはしなかった。
病気を全体的な異変としてとらえ、人間
の「自然治癒力」を引き出す内科的
センスの方法論である。この「全体的
異変」には、肉体だけでなく、当然
「心・精神」といった無形の要素も
含まれている。ヒポクラテスは言う。
要は全体のバランスなのだと。エピ
ダウロス医療センターとは、ヒポ
クラテス的コンセプトを具体化させた
社会システムといえる。

 アポロニアの主治医は問診と触診
を終えると、カルテに従って今後の
「回復メニュー」を作成し、彼女に
説明した。薬草の事、食事の事、エピ
ダウロスの各施設の事などである。
初日は薬草を与えられ、ゆっくりと
休むだけだった。翌朝、グレープ
ジュースとハチミツ、少量のパンと
軽い食事の後、アポロニアは「回復
   メニュー」に従って、「風呂」
のある施設に向かった。はじめに
彼女の裸体に泥が塗られた。泥の
エステティックである。次にサウナ
と水風呂。最後に全身に香油が
塗られてマッサージをうけた。
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