今昔医療福祉外伝
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第5章 戦国南蛮医療伝
 アルメイダの病院には、別病棟が
二ヶ所あった。ハンセン病患者と
天然痘患者を収容する施設である。
彼らはここで、キリスト教の「愛」
に基づく手厚い介護をうけた。
さらにアルメイダは、弟子たちを
医療スタッフとした「巡回診療
チーム」を編成し、病院外無23里
(約9キロメートル)に住む貧しい
人々に、無料で医療行為を行い、
薬を投与した。豊後国に「南蛮
医王如来」が出現したという
情報は、京都はもちろんの事、
遠く関東地方にまで伝えられた
という。

 アルメイダの病院運営が軌道に
乗り始めた頃、本州では戦国大名
の勢力争いに大きな異変が生じて
いた。1560(永禄3)年5月
12日、東海地方の大名・今川義元
は、2万5千人の兵を率いて駿府
(静岡市)より出陣。京都を目指した。
足利将軍家を補佐して、天下に
号令するのが目的である。

 今川家は、吉良家や細川家と
並ぶ足利家の分家であり、大義
名分も実力も十分にあった。駿府
と京都の中間地点に、尾張(愛知県
西部)という小国があった。領主は
「うつけ殿」と噂されていた織田
信長・26歳。兵力は最大でも
4000人程度。今川軍では問題
にもしていなかった。

 5月19日午前11時半。織田
信長家臣・梁田四郎左衛門政綱が、
重大な情報を信長に伝えた。

「今川義元、田楽狭間にて休息中。」

信長率いる三千の兵は、一丸となって
今川本陣のある小さな丘を目指した。
正午から降り始めた滝のような
にわか雨が、織田軍の動きと音を
カモフラージュした。

「死生は天にあり。目指すは義元の
首、ただ一つ。」
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