今昔医療福祉外伝
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第5章 戦国南蛮医療伝
 この豊後国に、ポルトガルの医師
「ルイス・アルメイダ」がやって
来たのは、ザビエル来日から6年後
の1555(弘治2)年の事だった。
 豊後国では、コスメ・ド・トーレス
神父を中心とするキリシタン信徒が、
布教と救護活動を続けていた。

 アルメイダは彼らが作った「育児院」
の拡張を最初の仕事にした。育児院
の子供たちは、貧しさゆえに両親
に殺されかけた赤ん坊たちだった。
避妊に関する知識や技術がないため
に、子供は産むにまかせるが、食い
ぶちを減らす為に「間引く」ので
ある。

 キリシタン信徒たちは、そうした
子供たちを引き取って乳を与え、
育てようとしていたのである。
ポルトガルの裕福な商人でもあった
アルメイダは、私財五千金を投じて
「診療所」も建設。医療ボランティア
活動に着手した。30歳だった。


 大友義鎮は、1559(永禄2)年
に豊後港を外国船に開港することを
決定した。これによって豊後府内は、
長崎・平戸と並ぶ貿易港になって
ゆくのである。キリスト教布教の
活動資金は、毛織物輸入の仲買に
よって得ていた。この貿易のもた
らす巨大な利権をめぐって、豊臣
秀吉とキリシタンは鋭く対立する
事になるのだが、それは後の事。
豊後国で信頼され、資金的バック
アップを得たアルメイダは、この年
「診療所」の大増築を行った。
これが、日本初の西洋式病院だと
言われている。

 アルメイダは、外科手術を得意と
した。採光の良いベランダに手術室
をつくり、日本人医師の弟子たちに
見学させながら、一日に六~七人の
手術を行うこともあったという。

 病院には重症患者五~六十人が
収容され、ターミナル・ケアを
含む医療が行われていた。外来患者
は身分の上下を問わず、常に百人
ほどあり、アイレス・サンシエス
を長とする看護スタッフが、献身的
に患者の世話にあたった。

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