今昔医療福祉外伝
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第4章 福祉僧・忍性(にんしょう)伝
 752(天平勝宝4)年4月9日、
聖武上皇・光明皇太后をはじめ、
文官・武官400人、僧1万人が
集まり、「大仏開眼供養式典」が
行われた。導師はインド僧・
ボーディセーナ、ベトナム僧・仏哲
唐僧・道せん。東大寺内にある正倉院
御物の内容からもわかるとおり、奈良・
平城京は、アジア全域との文化交流
が盛んだった。

 808(延暦23)年4月9日、この
東大寺大仏殿前の「戎壇院」で受戒
した僧がいる。弘法大師・空海
31歳。彼はこの年の5月22日に、
摂津(現・大阪)の湊から唐の都・長安
に渡る。ここで恵果から密教の奥義
をことごとく授けられ、2年後に帰国。
真言宗を開いた。

 また、810(弘仁元)年から4年間、
東大寺第14代別当をつとめた。東大寺
で密教経典である「理趣経」を読経する
のは、この時の因縁によっている。
空海は弟子たちに、「密教によって悟り
を理解し、大乗仏教によって人々を救済
する心を磨きなさい」と教えた。高野山
で密教を学んだ忍性の師・叡尊は、空海
の教えに忠実な一人だった。彼は
「どんな苦難があっても悟りを求める心
を捨てず、平等の心で人々に接し、
持っているものは惜しみなく分け与え、
民衆の救済に努力します」と、仏に
誓った。

 忍性が出家する前の1230(寛喜2)年
から翌年にかけて、日本は天候異変により
全国的な大凶作となった。餓死者が続出
する、想像を絶する飢餓地獄となって
いった。草や虫を食らって生き延びよう
とした。死体に湧いたうじ虫も、食料に
なった。うじ虫は、甘い味がするという。
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