今昔医療福祉外伝
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第1章 エピダウロス・スピリット
 アポロニアはエピダウロスの医療
センターにやって来た。ポリュクリス
トスが設計した、最大一万四千人収容
出来る円形野外劇場の外周に、治療
施設・博物館・美術館・競技場などが
あり、それらを中心にひとつの街を
形作っていた。オリーブの樹木が
それらを囲むように茂り、涼しい
木陰を作り出している。エーゲ海
から吹く潮風の香りとは別に、何処
からか甘やかな乳香の香りが漂って
いた。アテネの広場にはない神秘的
な雰囲気が、アポロニアのささくれ
だった心に柔らかな落ち着きを取り
戻していった。劇場外の柱や小さな
広場の至るところに神々の彫刻があり、
行き交う人々を見つめていた。そこ
には戦争で傷ついた者や老人、病気
に苦しむ者たちが大勢いて、ゆったり
した時間の中で穏やかに過ごしていた。

 アポロニアは神殿に向かった。入り口
を入るとすぐに、アスクレピオスの像が
あった。左手に医学を象徴する巻物を
持ち、生命の本質について思考する姿
である。それは意思的で力強い。
アスクレピオスは、光と芸術の神・
アポローンの子で、ケンタウロスの
ケイローンから医術を学んだ。死者を
蘇らせる事もたびたびあったので、
冥界の神・ハデスからクレームが
ついた。この為ゼウスは、彼を雷電で
焼き殺してしまう。アポローンは激怒
してゼウスに詰め寄った。ゼウスは
アスクレピオスを神々の座に加える事
で、アポローンと和解する。以来
アスクレピオスは医学の守護神として、
ギリシャ全土で崇拝させる事になる
のである。
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