今昔医療福祉外伝
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第4章 福祉僧・忍性(にんしょう)伝
 ハンセン病を「エイズ」と置き
換えてみてもよい。人間と「病気」
のかかわり方の歴史の中で、実際の
病よりも根深いのが「無知と偏見」
から引き起こされる差別だろう。
この病は五体満足な健常者に多く、
しかも病識(自分が病気であるという
認識)がない。また困った事に、仏教
思想に差別を助長するような考え方
がある。

 仏教では、奇形や重病の発生原因を
「過去生(前世)」の行為(悪業)の結果
であり、現世で克服すべき自己の業
(カルマ)である」としている。仏陀の
「縁起の法」以来、現在に至るまで
連綿と引き継いできた「因果応報」
の根本思想が背景にあるのだろう。
ハンセン病に限らず、体の不自由な
人がどれほどこの「宿業」の思想に
苦しめられ、健康人社会から阻害
さてきただろうか。

 これは過去だけの話ではない。
遺伝子診断によって判明する「病」
に対して、宗教家と称する者たちが
「宿業」を持ち出し、遺伝子階級差別
を助長することになりかねない。
 輪廻転生や因果応報という考え方
自体には、否定出来ない側面もある。
だが単なる観念の一種にすぎない。
病の根本は常に、その思い込みにある。

 仏教ならば「慈悲」キリスト教なら
ば「愛」、それだけで十分事足りると
いうものだろう。慈悲の「慈」は、
古代インドのサンスクリット語で
「マイトリー」。生あるものすべてに、
喜びや楽しみを与える事を意味する。
また、語源の「ミトラ」には「友情」
の意味もある。
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