今昔医療福祉外伝
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第4章 福祉僧・忍性(にんしょう)伝
 ハンセン病は一応伝染病とされて
いるが、感染力は極めて弱い。
健康人に患者の「膿み」を擦り込ん
でも感染しない程である。先天性の
感染も否定されている。だが、そう
した医学的事実が知られていなかった
時代には、患者は「恐るべき病原体」
として扱われた。病院とは名ばかりの
「強制収容所」に隔離され、二度と
社会復帰が望めない「死に場所」で、
治るあてのない絶望的な暮らしを
強制されていた。施設は離島や人里
離れた山奥につくられた「タコ部屋」
で、自給自足の生活を送る。要するに
人間扱いされていないに等しかった。

 患者やその家族たちは、社会の偏見
と絶望の闇の底で「信仰」にすがった。
数多くの人々が、四国遍路の旅に出た。
第七十五番札所・香川県善通寺には、
あらゆる差別の根絶を願う意味から、
「母子遍路像」が建立された。
「砂の器」が訴える悲願もそこにある。

 ハンセン病は、古代エジプトの
ミイラからも発見された。6000年
以上の遥か昔から、患者は「呪われた」
存在だった。1943年、アメリカで
「プロミン」というハンセン病の特効薬
が開発され、医学的には不治の病では
なくなった。だがそれで、ハンセン病
患者とその家族が味わい続けた悲劇、
すなわち「差別と偏見」の病根が無く
なったかというと、どうもそうではない。
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