今昔医療福祉外伝
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第3章 古代医療伝
 悲田院は、仏教の「慈悲」の心を
現実化した社会福祉施設で、貧しさ
ゆえに行くあてのない人や、さまざまな
理由で孤独に苦しむ人々を受け入れ、
食事を振る舞い、人間としての
「尊厳」を回復させる場所だった。
彼らの精神的ケアが、僧たちの仕事
だった。僧はこれらの人々の心を
ときほぐし、仏教の教えをわかり
やすく、おもしろおかしく語って
聞かせたのだろう。人がこの世に
生きる事の意味や、生きる事の
苦しみや喜びを。元気を回復した
人々は、後からやって来る人々
の世話にあたった。今で言う、
ボランティア活動による喜びを
味わったものと思われる。

 敬田院は、盗みや傷害事件などを
犯した人々の更正施設だった。「道場」
と言われているので、多少の厳しさは
伴ったかもしれない。太子は「悪人」
に対する基本的な考え方を、後に制定
する「十七条憲法」二条で次のように
述べている。

「人、はなはだ悪しきもの少なし。
よく教うるをもて従う。」

 つまり犯罪行為を行うのは、どう
しようもない貧しさか、愛情の不足が
原因で、根っからの悪人というのは稀
である。だから、衣食足りて愛情を
持って接し、人の道を説けば必ずや
善き心を発動するだろう、というわけ
である。敬田院のスタッフだった
僧たちは、日頃経典で練った仏教精神
を試す、またとない道場になった事
だろう。
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