今昔医療福祉外伝
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第1章 エピダウロス・スピリット
 このギリシャ文明を細かく調べて
ゆくと、そこから見えてくるのは
「自由」を根本に据えた、驚くべき
精神性の高さである。またキリスト教
的文明とは明らかに質が違う。それは
神と人間の関係性という、根本的な
問題にかかわっている。聖書は神に
対する絶対的服従を人間に要求する。
人間は潜在的に罪の意識に苛まれ
神に対して卑小に振舞う。これに
対してギリシャ文明では、神意に
さからってでも人間としての誇り
を高らかに歌い上げ、人間中心の
文明が築かれてゆく。この根本的な
コンセプトの差が、社会システムや
思想などに如実に反映されてゆく。

 自然から搾取し続け、物質至上
主義だった二十世紀欧米文明。これを
打破してより良い文明を模索してゆく
為に、非聖書文明である古代ギリシャ
精神を理解し直してみるのも悪くない。

 さて、ここで古代ギリシャを生きた
架空の女性・アポロニアに登場願おう。
彼女は哲学者・プラトンとほぼ同世代
のアテネ市民で、夫をペロポネソス
戦争で失った。この戦争ではアテネ
がスパルタに降伏し、アポロニアは
二重の傷心を味わった。彼女は気持ち
が沈みがちになり、食も細くなって
吐血し、やつれていった。
 やがて彼女は病気療養の為、エピ
ダウロスへと旅立った。25万都市・
アテネから海路で丸一日。エーゲ海を
隔てた対岸、ペロポネソス半島・
アルゴリス地方の都市・エピダウロス。
ここは健康と医療の神・アスクレ
ピオスの聖地であり、現在でも野外
劇場でギリシャ悲劇などの公演が行わ
れている。この「野外劇場」・・古代
ギリシャにおいては、医療施設の一部
であった。

「えっ、劇場って芝居やコンサートの
為のものだろう。医療施設なら病院
だろう」

というのが、現代人の常識だろう。
ところが古代ギリシャ精神では、
「病院」のコンセプト自体が違うので
ある。その疑問は、おいおいアポロニア
が解き明かしてくれるだろう。
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