今昔医療福祉外伝
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ノンフィクション
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/02
最終更新日:2011/03/02 11:02

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今昔医療福祉外伝 第2章 心優しき文化圏
 ところで「神」あるいは「神々」
の概念と、人間の関係性について少し
付け加えておく。人生には必ず、
理不尽な状況がつきまとう。事件・
事故・出会いと別離・戦いの勝敗・
賞賛と非難・病気と死。自分一人の
力ではどうにもならないと感じられる
不可思議な運命の力を、古代ギリシャ人
たちは神々のいし気まぐれによるものと
考えていた。

 だからといって、人間が神々に服従
するような事はなかった。神々の意志
がどうあれ、人間は人間である事の誇り
を失わず、人間としての意志を貫き
通した。自己の能力をフルに用いて生き
抜いたならば、戦いに敗れる事も恥
ではなかった。ホメロスのオデッセウス
も、ソフォクレスのオイディプス王も、
そのように生き、死んでいった。人事を
尽くして天命を待つのが、英雄たちの
生き方だった。神々と人間が共生関係
にあった時代の人間は、自由で誇り高く、
のびやかで生き生きと輝いていた。

 古代ギリシャが衰退し、キリスト教
に代表される世界宗教が人類に浸透し
てゆく過程において、神は唯一絶対の
存在として権威づけられていった。
仏教における「仏」についても、同様
の事が言える。神や仏は人間と「分離」
した。

 人間は「神」を後ろ盾にした教会
権力の支配者層に服従を強いられた。
服従の証しが「信仰」と呼ばれた。
神と人間が分離した時、人間の意識も
分裂した。さらに地上での生活は、
専制君主によって支配され、民衆は
精神も肉体も二重三重に束縛された
まま、生きなければならなかった。
100年・500年・1000年・
2000年と、そうした状況が続く
うちに、人間はそうした現実に慣れて
いった。伝統・習慣として受け入れ、
支配・束縛されている事に、何の
疑問も持たなくなっていった。
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