原爆
原爆

発行者:オフィス亀松亭
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:未設定

公開開始日:2011/02/28
最終更新日:2011/02/28 10:54

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
原爆 第2章 2・B29
○B29<1>


 1945年7月17日、ベルリン
南西部のポツダム市。イギリスの
チャーチル、ソ連のスターリン、
アメリカのトルーマン三首脳が、
旧プロイセン王家の屋敷「ツェ
ツィーリン・ホーフ」に集まった。
これより8月2日まで、終戦後の
世界をいかにするかの会談が開か
れていた。ポツダム会談である。
この会談の初日、アメリカ大統領・
トルーマンのもとに、一通の電報
が届けられた。

「赤ん坊が生まれた。」

 それは人類史上初めて、核分裂に
よる原子爆弾実験成功を意味して
いた。トルーマンは、随行していた
陸軍長官・スティムソン、陸軍参謀
総長・マーシャル、陸軍航空司令官・
アーノルドに実験成功を告げた。
 この時すでにトルーマンは、スティ
ムソンを委員長とする原子力政策諮問
機関「中間委員会」の答申を受けて、
「実行」を決断していた。日本に対する
原爆投下は最終段階に入ったのである。

 7月16日午前5時20分45秒。
アメリカ・ニューメキシコ州アラ
モード空軍基地内の実験場。高さ
230メートルの鉄塔に吊るされた、
直径1・52メートル、長さ3・25
メートル、重さ4・5トンのプルト
ニウム爆弾が、巨大な火球と閃光に
変容した。爆風と衝撃波が、同心
円状に広がってゆく。そして巨大な
きのこ雲。

 それは、実験責任者・オッペン
ハイマーとアメリカの国力が、心血
を注いで作り上げた「赤ん坊」に
違いなかった。41歳にして、
オッペンハイマーは「原爆の父」に
なった。しかし彼が憎んだ敵「ナチス」
は、すでに滅んでいた。

9
最初 前へ 6789101112 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ