原爆
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公開開始日:2011/02/28
最終更新日:2011/02/28 10:54

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原爆 第6章 6・長崎市浦上
○長崎市浦上<2>


 午前4時。外務省ラジオ室と同盟通信
は、モスクワ放送のソ連対日参戦の
ニーュースを傍受。この知らせは直ちに、
外相の東郷茂徳と内閣書記官長・迫水
久常にもたらされた。午前8時、東郷と
迫水は、小石川丸山町の鈴木貫太郎首相
宅を訪問。終戦の意志を確認した。東郷
は次に、海軍省の米内光政海軍大臣を
訪ねた。米内も終戦に異議は唱え
なかった。

 午前9時55分。内大臣・木戸幸一
が天皇に呼ばれた。木戸は天皇に、ソ連
参戦を知らせた。天皇は終戦を決断し、
その旨を鈴木首相へ伝えるよう、木戸
に申し伝えた。鈴木首相は天皇の意向
を木戸から聞くと、拝謁せずに首相官邸
へと向かった。

 ボックスカーは硫黄島上空を通過後、
高度を上げながら西北西に進路をとり、
薩南諸島方向へ向かった。この間に
写真撮影機「ビッグスティンク号」が
高度を誤り、1万2千メートルまで上昇
してしまった。この為ボックスカーは、
待ち合わせ場所の屋久島上空で旋回
するハメになった。だがいくら待っても
現われない。スゥイーニー機長は2機に
よる作戦決行を決断し、北九州小倉上空
を目指した。

 この日は全国的に快晴の天気だったが、
前夜の焼夷弾爆撃による火災の煙で、
小倉兵器庫の上空に黒雲が漂い、爆撃
照準機に目標をとらえる事が出来
なかった。おまけに日本軍の高射砲が
数発飛んできた。高度は完璧だった。
零戦10機も接近してきた。燃料も不足
してきている。アクシデント続きに、
スウィーニー機長は苛立った。もたもた
している場合ではない。ファットマン
を落とさずに帰るわけにもいかない。

 スウィーニー機長は、小倉上空を
10分間旋回した後、再度決断した。

「長崎だ。」

午前10時、ボックスカーは第2目標
の長崎へ向かった。午前10時55分、
長崎上空。爆撃手・カーミット・ビー
ハン大尉は、第1目標の三菱重工長崎
造船所を求めて、長崎港の海岸線に
注意していた。だがここでも雲に邪魔
された。
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