原爆
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公開開始日:2011/02/28
最終更新日:2011/02/28 10:54

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原爆 第5章 5・命の水
 高温高圧の爆風は、半径5キロ以内
の建物をほぼ壊滅させ、数多くの人々が
3度の熱傷を負った。この熱傷の後遺症
が「ケロイド」である。人間の皮膚が
20パーセント以上焼けただれると、
生命に危機が訪れる。激烈な痛みと喉
の乾きを訴えながら息絶えた人々の死体
が、街の至る所にあった。

「慈仙寺内で児童が先生を囲んで輪に
なったまま焼死。死体は黒焦げで、男女
の区別がつかない。」

「炊事場の鍋の中に白骨2体発見。妻と
長女のものだと思う。」

「防火用水の中に、年輩の男の人が
入っていた。身体は大きく膨れていた。
腕時計が残っていたのでのぞいてみたら
8時15分を差していた。」

「秋月喫茶店の前に遺体あり。ショック
で飛び出したのかどうか、母体と胎児は
ヘソの緒でつながっていた。」

「恵子は炊事場でジャガイモをむいていた。
そのままで半分胴体が残っていた。」

「父は神棚を拝む姿勢のまま、半分焼けて
死んでいた。」

(NHK広島局・原爆プロジェクトチーム編
「広島爆心地・生と死の40年」より抜粋)

 1人1人の状況を書いていてはキリが
ない。だが覚えておいて欲しい。これら
思わず目をそむけたくなりそうな悲惨な
状況の積み重ねが、何十万人という数字
になっているのだという事を。
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