原爆
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公開開始日:2011/02/28
最終更新日:2011/02/28 10:54

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原爆 第4章 4・広島
 17秒後、リトルボーイは自動的に
エノラ・ゲイから切り離され、落下して
いった。

「午前8時13分、中国軍管区発令。敵
大型機3機、西条上空を西・・・」NHK
のラジオ放送と同時に、広島市内に再び
警戒警報のサイレンがけたたましく鳴り
響いた。

 グレートアーティストの爆撃手・カー
ミット・ビーハンは、「リトルボーイ」
落下を確認すると、パラシュート付きの
爆風測定通信機材3個を投下した。この
作戦のコードネームは「センターボード」。
ルイス・アルバレイス、ローレンス・
ジョンストン、ハロルド・アグニューと
いう3人の科学者が同乗し、計測器の信号
をモニターしていた。

 計測器は、高度4300メートルで
パラシュートが開いた。

「きれいじゃねぇ。」
「あれ、なんじゃろうか。」

広島市民は、青空の中にキラキラ光る
物体を見上げていた。

 ネセサリーイービルは、後に全世界で
使用される事になる映像を撮影する為
に、90度旋回。エノラ・ゲイは4トン
の重量を失って、フワッと3メートル
上昇。チベッツ機長は右急旋回して、
山陰方向へ急速離脱。グレートアーティ
ストは機体を60度傾け、右155度に
急降下旋回し、南東方向へ離脱した。

 午前8時15分と言えば、戦後日本の
世の中ならば、NHKの連続テレビ
ドラマの始まる時刻である。8時15分
17秒に高度9600メートルから投下
された「リトルボーイ」は、爆発する
まで43秒間落下し続けた。


 8時16分。この瞬間、広島市民は
全てを根底から断ち切られた。「リトル
ボーイ」のウラン235は、「相生橋」
から南東に200メートルほどずれた、
広島市細工町十九番地(現・大手町一丁目
5─24)島病院上空580メートル地点
で核分裂反応を起こし、摂氏数百万度と
言われる「ファイアーボール」を生み
出した。太陽表面のコロナが、数百万度
あると言われている。つまり地球上に、
小さな人工太陽が出現したのと同じ事に
なる。ファイアーボールからは100分の
1秒後に、大量の放射能が放出され、
1秒後に半径310メートルの球に膨張
した。島病院から南東160メートルの
産業奨励館、現在の原爆ドームあたりを
中心に、広島市民球場や大手町一帯を
すっぽりと包むほどの大きさである。
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