原爆
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公開開始日:2011/02/28
最終更新日:2011/02/28 10:54

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原爆 第3章 3・エノラ ゲイ
○エノラ ゲイ<2>


 8月5日朝。日曜日という事も
あってか、第五〇九部隊はテニアン島
のパンプキン野外劇場で「勝利ミサ」
を行った。祭壇中央に十字架、テーブル
中央に聖書が開いて置かれた。彼らに
とって、イエス・キリストは軍神だった。

 機体番号82のB29は、午後2時
45分に「リトルボーイ」を前部爆弾倉
に収納し、未明の出撃を待つばかりに
なっていた。機長のポール・チベッツ
大佐は、1人の整備員に紙切れを渡し、
コクピット下部に文字を描くようにと
指示した。整備員は「ENОLA 
GEY」と描いた。人類史に刻まれる
「エノラ・ゲイ」とは、チベッツ大佐
の母親の名であった。

 5日夕方。第二十航空軍のB29・
400機と、B24爆撃機の計635機
の爆撃編隊は、焼夷弾を満載して次々
に日本上空へと飛び立っていった。
6日未明、群馬県前橋市に102機、
兵庫県西宮市に261機、愛媛県今治市
に66機、山口県宇部市に111機、
瀬戸内海の機雷投下に30機という
陣立てだった。広島市民は再三再四、
警戒警報のサイレンに悩まされて
防空壕の中へ入り、蒸し暑い眠れぬ夜
を過ごした。

 6日午前0時37分(日本時間に直して
記載・以下全て同じ)、シルバープレ―ト
先発機3機が、テニアン北飛行場から
それぞれの目的地へ飛び立っていった。
広島へは、パンプキン爆弾で皇居を狙った、
イーザリー少佐を機長とする「ストレート・
フラッシュ号」。小倉へは、ウィルソン
少佐を機長とする「ディャビット三世号」。
長崎へは、テイラー少佐を機長とする
「フルハウス号」。3機のB29は
エノラ ゲイ号に目標上空の気象を
通報するのが仕事だった。
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