原爆
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公開開始日:2011/02/28
最終更新日:2011/02/28 10:54

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原爆 第2章 2・B29
 トルーマンは、日本に原爆を落とす
事による日本国民に対する心理的
ダメージや戦略的効果以上に、ソ連に
対する「威嚇」という政治的効果を
重要視していた。戦略的判断のレベル
では、太平洋戦線の現場責任者である
マッカーサー陸軍大将、ニミッツ海軍
大将、ハルゼー海軍大将をはじめと
する軍部の高級指揮官が、揃って
原爆投下に反対していた。レイヒ
統合参謀本部議長もトルーマンに
投下の必要性は無いと勧告し、
スティムソン陸軍長官でさえ、
非戦闘員の大量殺傷に悩んだという。

 要するにトルーマンは、「使って
みたかった」のだろう。相手は、南京
大虐殺などをやらかした侵略者、
「黄色いサル」のジャップなのだ
から。かくして日本は、原爆の実験場
となり、東西冷戦の「道具」にされる
事になったのである。戦後アメリカが
国内向けプロパガンダとして、同胞
兵士の命を救い、終戦を早めたと原爆
投下の正当性を主張している。政治家
は嘘がうまい。

 ポツダム会談では、ドイツとベトナム
の分断統治を決定した。まずい事に、
インドシナを植民地にしていたフランス
の、ド・ゴール大統領抜きにである。
しかも、朝鮮半島問題は話し合われて
いない。この中途半端な会談が、後に
朝鮮戦争・ベトナム戦争の火種になろう
とは、この時スターリンもトルーマンも
考えていなかった。とにかく、大日本
帝国の降伏が先決問題だった。

 アメリカ軍の超重爆撃機・B29。
1942年、ボーイング社が総力を
あげて開発した、日本空襲用の
「超空の要塞(スーパー・フォートレス)」
である。全長30・1メートル、左右
43メートル、機体総重量64トンは、
ヨーロッパ戦線に展開中の爆撃機・
B17の約2倍。約10トンの爆弾を
搭載して(B17は1トン程度)、高度
9千メートル上空を時速480キロで飛行
出来た。

 5600キロメートルという長大な
航続距離を生かして、中国・四川省成都
の連合軍基地から、九州を空襲する事が
出来た。B17は、高度7千メートルの
零下40~50度の極寒の中、酸素マスク
を必要とした劣悪な機内環境だったのに
対し、B29は完全に与圧され、上着を
脱いで葉巻を楽しむ事も可能だった。
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