原爆
原爆

発行者:オフィス亀松亭
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:未設定

公開開始日:2011/02/28
最終更新日:2011/02/28 10:54

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
原爆 第2章 2・B29
 原爆はただちに、B29の基地が
あるマリアナ諸島のテニアン島に向け
て旅立っていった。投下目標は、空襲
で被害をうけていない都市「京都・小倉・
広島・新潟」のいずれかだった。ナチス
の同盟国・日本への使用もやむをえない
というのが、オッペンハイマーの見解
だった。

 ポツダム会談は、「東西冷戦」の第一
ラウンドだった。共通の敵・ナチスが
無くなれば、チャーチル・トルーマン
の自由主義陣営と、スターリンの社会
主義陣営という、イデオロギー対立の
構図だけが残る。後に、日本という共通の
敵を失った中国で、蒋介石軍と毛沢東軍
が再度戦う図式にも同様の事が言える。

「原爆が完成しましたよ。」

 トルーマンの言葉に、スターリンの
顔がひきつった。

「ほう・・それは・・・」

原爆という最強の武器を手にした
アメリカ軍にとって、ソ連の対日
参戦はあまり意味を持たなくなる。
むしろ日本は地理的に、極東における
社会主義陣営を封じ込める最前線に
位置づけられる。ソ連がでしゃばり
過ぎて、「分け前」を取られ過ぎては
困るのだ。

 トルーマン対スターリンの、政治的・
軍事的なかけひきの中で、日本と原爆
は重要なカードだった。ソ連国内に
おいても、原爆の研究を行っていたが、
いまだ完成には至っていなかった。
軍事バランスの大きな開きは、国際
政治での「発言権」にも重大な影響を
およぼす。へたをすると、モスクワも
危ない。あせったスターリンは、対日
参戦によって極東における発言権を
確保しようと考えたのである。
10
最初 前へ 78910111213 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ