歴史エッセイ集「みちのく福袋」
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公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 16:33

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歴史エッセイ集「みちのく福袋」 第3章 第3章・相馬黒光(こっこう)
○相馬黒光(こっこう)

 寒い季節になると、セブン
イレブンの店内に「新宿
中村屋の中華まんじゅう」
のショーケースが現れる。
私は特に「あんまん」に
思い入れが深い。絹の
ようになめらかな舌触りで、
独特の風味やこくがある
「あん」は、他社製品の
追随を赦さないと、ひそか
に思っている。

 人は誰しも、「世の中に
これほど美味しい食べ物が
あったのか」という品目
を、1つや2つ持っている
だろうが、私の場合その
1つが「中村屋のあんまん」
なのである。子供の頃の味覚
は、後々まで影響するもの
らしい。

 その新宿中村屋の創業者は、
星 良(りょう) という女性
である。後に長野県穂高町
出身の相馬愛蔵と結婚し、
筆名に黒光を用いた事から、
相馬黒光として知られる事
になる。
 黒光は1875(明治7)年
9月11日、仙台県第一区
定禅寺櫓丁通(じょうぜんじ
やぐらちょうどおり)本材木
町西裏末無という所に生ま
れた。現在の仙台市青葉区
立町あたりである。西公園
から立町一帯には、仙台藩
重役の屋敷が建ち並んでいた。

 明治8年という年は、
御一新(明治維新)の7年後、
廃藩置県の4年後であり、
仙台城下の人口は5万人程
であった。城下には維新政府
の薩長兵が駐屯し、旧仙台藩
家臣の切腹だの斬首だのと
いう血なまぐさい事件が、
いまだに続いていた。
 黒光の祖父・星雄記は、
勘定奉行などの要職を歴任
した人物だったが、若き日
に長崎の蘭学者を訪ねた事
もある開明派であり、処罰
は受けず屋敷の隠居所で
四書五経を講じていた。父
の喜四郎は多田家からの
婿養子で、旧幕府軍の
江川太郎左衛門から砲術を
学んだ人物だった。黒光は
武家の娘として躾られた。
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