歴史エッセイ集「みちのく福袋」
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公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 16:33

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歴史エッセイ集「みちのく福袋」 第2章 第2章・国見八景
 今では約97パーセントが火葬の
日本だが、カトリック圏のアメリカ
は、火葬率13パーセントと、土葬率
が高い。イギリスやデンマークも
50パーセント程である。死者が肉体
と共に蘇る「ゾンビ」は、土葬的恐怖
と言えるだろう。
 死者に対する恐怖といえば、仙台
心霊スポットという噂話集成の
ホームページがある。旧火葬場という
事もあり、大願寺界隈にはよく
「出た・見た」というコメントが載っ
いる。だがこの界隈に出現する幽霊に
まつわる因縁話は、単に火葬場が
あったからというだけのものでは
なかった。

 大願寺門前には、樹齢250年の
たらよう。称念寺には樹齢300年の
きゃらぼくとカリンと姉妹いちょう。
正円寺には樹齢360年の赤松。
荘厳寺には樹齢350年の如意笠の松
と、樹齢200年のもみじ。充国寺
には樹齢350年のやしおかえでと
いう具合に、この寺域一帯には、古樹
が数多く残っている。

 古樹の存在は、空襲で焼けていない
地域である事の証になる。1945
(昭和20)年7月10日午前0時
03分。グアム島の第58爆撃隊の
B29124機は、仙台湾南東海上
から仙台市街地に侵入。高度4千~
6千メートル上空から、油脂焼夷弾
による空襲を開始した。午前2時
30分頃まで、5編隊による波状
攻撃を行い、市街地は火炎地獄に
なり、1066名が死亡した。

 死因の大半は焼死か窒息死で、
213体が身元不明遺体だった。
このうち108体が大願寺に、
76体が子平町の寿徳寺に、29体
が新寺小路の松音寺に葬られた。
大願寺界隈に現れる幽霊は、どう
やらこの無縁仏と関係があるらしい。
火炎地獄の恐怖と無念さに、改めて
合掌。

 そもそもB29による無差別焼夷
弾爆撃を発案したのは、第二十航空団
司令官で、「爆撃屋」と呼ばれた
カーティス・ルメイ少将である。彼は
日本本土に十分な夜間戦闘機が無く、
高射砲もレーダー管制でない事から、
夜間、低空による焼夷弾空襲という
戦法を編み出したのだった。焼夷弾
とは、火災を発生させて住民を焼き
殺す事を目的にした爆弾の事である。

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