歴史エッセイ集「みちのく福袋」
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公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 16:33

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歴史エッセイ集「みちのく福袋」 第2章 第2章・国見八景
 石には、死霊や悪霊、あるいは
外敵を封じ込める霊力があると
信じられていた。イザナギ命が
黄泉国から逃げ帰った時、黄泉国
に通じる穴を石で塞いだという
話もある。
 狐という動物は、古墳の穴を
好んで棲家にしていた。そのため
人々は、狐を見て死霊や祖霊の
化身だと思うようになった。この
考えはやがて、狐を霊獣とする
稲荷信仰と結びついてゆくので
ある。

 古墳は権力者の象徴であるが、
当時は霊魂も上層階級の者のみ
に存在していた。一般人に霊魂は
無く、死体は野原にはふ葬られて
いた。「葬」とは、草で人を
おおうという意味である。京の都
では、主として加茂川に死体を
投げ捨てていた。墓石の下に土葬
するようになつたのは、室町時代
以降に、主として浄土宗系の寺が
開創してからである。

 かつて大願寺の隣には、仙台
市営の火葬場があった。灰色の
高い煙突から、人体を焼く真っ黒
な煙が立ち昇っていた。私はその
煙を見ながら、近道だった称念寺
の墓地を通り、大願寺横丁のゆる
やかな坂道を下って、荘厳寺内の
幼稚園に通っていた。

 親鸞上人ゆかりの称念寺門前脇
には、福来心理研究所という看板
を掲げた家もあった。この研究所
を主宰していた福来友吉(1889
~1952)は、東京帝大で
「催眠術の心理学的研究」で博士号
を取得。1910(明治43)年から
は、御船千鶴子、長尾郁子、高橋貞子、
森竹鉄子ら、念写や透視能力がある
と思われる者の実験を行い、超能力
研究を行った人物である。「貞子」
という名から、映画「リング」を
思い起こす人もいるだろう。思い
返すと、なんともホラーな通学路
だった。
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