歴史エッセイ集「みちのく福袋」
歴史エッセイ集「みちのく福袋」
アフィリエイトOK
発行者:オフィス亀松亭
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:未設定

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 16:33

オーナーサイトへ
アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
歴史エッセイ集「みちのく福袋」 第2章 第2章・国見八景
 この伊達家分割案は、4代
将軍家綱のお側衆・下総関宿
4万石の久世大和守(くぜ
やまとのかみ)広之から、伊達家
重臣・茂庭周防定元に漏らされる。
驚愕した茂庭周防は、妹の夫・
原田甲斐宗輔に相談する事になる。
原田家は、伊達家初代・朝宗の代
から19代伊達家に仕えてきた、
宿老の家柄だった。
 原田甲斐は兵部の野望を阻止
すべく、あえて兵部の懐に飛び
込む。「虎穴に入らずんば虎子
を得ず」というわけである。
面従腹背の腹芸は、なかなか
わかりにくい。甲斐の真意を図り
かねて、彼のもとを去ってゆく
同士も少なくなかった。

 だが甲斐は、信頼出来る家臣
を亀千代の毒見役にして毒殺から
守り、酒井と兵部の間に交わ
された密約書を入手するので
ある。甲斐は密約書を老中・久世
大和守に託した。
 一方幕府は、田村右京と伊達
安芸の領地争いに対して老中評定
を開き、藩内不統一を理由にして
分割の流れをつくろうと画策して
いた。首謀者はむろん、大老に
なった酒井雅楽頭である。
 甲斐は分割案を回避し、兵部を
排除し、なおかつ酒井ら幕府の
面目を潰さぬようにと、大手
下馬先・酒井雅楽頭屋敷の評定
の席において、伊達家重臣・伊達
安芸宗重(57歳)、柴田外記(げき)
とももと朝意(63歳)を刺し、
自らは蜂谷六左衛門(よしひろ)
可広(58歳)と斬り結んで相打ち
になった事になっている。
 だが甲斐が不意に伊達安芸を
刺す事が出来たにせよ、その後
誰も止めず、柴田が抵抗もせず
殺されたという状況にはやや無理
がある。屋敷内では皆、脇差だけ
なのである。伊達家の重臣たちは、
酒井家の家臣たちによって謀殺
され、その罪を甲斐がかぶったと
いう説明のほうが近いように
思える。
 ともあれ原田甲斐は、1671
(寛文11)年3月27日、自ら
乱心し悪の汚名を着て、53歳で
死んだ。伊達安芸が死んで藩内
不統一の理由が消滅。久世の働き
かけもあり、亀千代と伊達62
万石は安泰となった。亀千代は
成人後、名を綱村と改める。
1703(元禄16)年に隠居する
までの26年間、安定した文治
政治を行った。


24
最初 前へ 21222324252627 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ