アストラルの森2/聖人間工房
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発行者:オフィス亀松亭
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:アストラルの森2・聖人間工房

公開開始日:2011/02/26
最終更新日:2011/02/26 11:10

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アストラルの森2/聖人間工房 第2章 第2章・深層潮流
 浴槽の湯に体を沈めると、全身に血液
が流れているのがよくわかった。
意識が前よりもクリアになっていた。

「そうだ・・私は休暇中だったんだ・・」
職場の上司の顔を、ふと思い出した。
両手で湯をすくって指先を見ると、爪
が伸びていた。

「一体私は何をしていたのだろう?」

上司に言われて休暇をとり、職場を出た
ところまでは思い出せた。だがその
先が砂嵐のテレビ画面のような感じで、
どうしても思い出せなかった。

 風呂から上がった遼介は、バスタオル
にトランクス姿のまま、キッチンに
行って冷蔵庫を開けた。いつも冷や
してあるはずのビールが一本もなかった。
流し台の下を見ると、空のビール瓶や
アルミ缶が大量に散乱していた。

「有紀だな・・・まったくよく飲んだ
ものだよ・・・そうだ、有紀は何処に
行ったんだろう?」
 遼介は仕方なく、ペットボトルに
半分残っていたジュースをラッパ飲み
した。美味かった。この世のものとは
思えないほど甘露な味だった。胃袋が喜
びのダンスを踊っているようだった。

「そうだ・・・爪切り、爪切り・・・」

 遼介はリビングルームに入り、引出し
から爪切りを取り出し、日頃の習慣で
テーブルの上のリモコンを持って、
テレビのスイッチを入れた。遼介は爪
を切る為の新聞紙がない事に気づき、
玄関に行ってみた。新聞受けに3日分
の新聞が入っていた。その日付を
見ながら、遼介は首を傾げた。

「あれぇ・・・今日は何日だ?」

 遼介は再びリビングに戻り、新聞紙
を絨毯の上に広げ、パチンパチンと
爪を切り始めた。テレビはちょうど、
夕方のニュース枠だった。

「・・・続いて3日前に新宿・歌舞伎町
の路上で起きた、金属バットによる撲殺
事件の続報です・・・目撃情報を総合
しますと、犯人は年齢30歳位。
身長は175センチ位、痩せ型でグレー
のスーツに黒のショルダーバッグを
持ち、高田馬場方向に逃走したものと
思われます・・・犯人は依然として捕
まっておらず、警察は全力をあげて
逃げた男の行方を追っております・・」
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